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歯と認知症の意外な関係について

2015年12月17日 カテゴリ:歯科コラム, 予防歯科


日常生活に制限のある 『要介護』 の期間、

日本人の場合、それが平均すると約10年であるそうです。

平均はあくまでも平均ですが、

日本人の平均寿命である84歳まで生きたとして、

最後の10年間を不自由な要介護期間として過ごす可能性が、

残念ながら誰にでもあるわけです。

 

この平均要介護期間約10年をできるだけ短くするための対策として、

皆様方に是非とも歯の健康を軽視しないでいただきたいのです。

 

要介護となってしまう要因の中に 「認知症」 と 「転倒骨折」 があります。

歯の健康維持に努めることは、

意外にも、この 「認知症」 と 「転倒骨折」 の予防につながります。

 

ものがきちんと噛めるかどうかは、

歯科医学的には、

歯の本数 (義歯を含む) が20本以上あるか、

もしくは19本以下か、どうかで分類されます。

歯が19本以下の方々は20本以上ある方々と比較して、

1.85倍も認知症になりやすいとの研究結果があります。

きちんと噛めないと、脳への刺激が少なくなり、

噛めないものは避けるなどして栄養が偏るために、

認知症になりやすいのでは? と言われています。

 

また転倒のリスクを同じように比較すると、

歯が19本以下の方々は20本以上ある方々と比較して、

2.5倍転倒リスクが高いとの研究結果もあります。

私は現在歯が28本あり20本以上歯を有しているにも関わらず、

数ヶ月前転倒により大腿骨をポッキリ折ってしまい、

一時完全に歩けなくなりましたので、

歯が20本以上あれば転倒骨折しないわけではもちろんありませんが、

奥歯がしっかり噛めると馬力が出て踏ん張れるので、

転倒骨折し難くなるとは言えるのです。

 

先日ヤフーニュースを眺めていたところ、

厚生労働省の調査では、

所得の低い世帯で、

歯が20本未満、習慣的にタバコを吸う、健診を受けていない、

それらの割合が高い結果であったとのことでしたが、

所得に関係なく、

痛くなければ歯は悪くなっているわけないと、

お考えの方はかなり多いのではないでしょうか?

 

まだ若かったり、骨も丈夫で、認知症でもなければ、

要介護などという単語を目にしても、

どこか他人事という気がしてしまうかも知れません。

しかし軽視しているとスポッと平均に入り、

人生のラスト10年間を要介護で過ごす可能性が高くなります。

そんな平均に入らないためにも、

長期間歯医者に行っていない方や、

親不知以外で歯の抜けた箇所を放置している方など、

将来に向けてお近くの歯科を受診されることを強く推奨いたします。

 

それが輝く未来への大きな第一歩となるやも知れません。

 

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吉祥寺の歯医者、柳田歯科医院
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